商社への就職を考えてる学生、あるいは転職を考えている方は非常に多いかと思います。
なんとなく、かっこいいからという理由で商社に就職した私ですが、実際に商社で働いている現役商社マンだからこそ分かる商社の機能、どうやって儲けているのかを説明していきます。
商社の機能とは
商社は長い間、様々な商品やサービスを安く仕入れマージンを乗っけて売るというビジネスを基本としていました。
いわゆる、トレーディングビジネスです。
しかし、インターネットの普及により、メーカーと小売りが直接取引を行うケース多くなり、商社不要論という言葉まで出てくるようになってきました。
そこで、商社はこれまでのこれまでのトレーディングビジネスだけではなく、事業投資へ事業範囲を広げていっています。
ここで言う事業投資とは、商社の持っている資金力、ネットワークを生かして、幅広いビジネスを作り上げ、利益を生み出すことを言います。
仲介機能
商社が行ってきた伝統的なビジネススタイルで、世界各地に張り巡らされたネットワークをもとに、モノやサービスの需給が一致するルートを探し出し仲介を行う機能です。
扱う商品は、カップラーメンからミサイルまで幅広く、各分野、商品に特化した専門商社も存在しています。
物流機能
貿易で培った陸・海・空にわたる物流業者とのつながりを生かし、より効率的な物流機能を提供しています。
国内だけなら、まだしも海外への輸出、海外からの輸入においては、商社が培ってきた物流の知識が必要になってきます。
船の手配や各種書類の作成って結構めんどうなんですよね。
それらを商社が行うことで、マージンを得ることができます。
金融機能
取引先に対する与信取引、融資機能等、金融機関とは異なる形で金融機能を有しています。
事業投資や取引先に対するユーザンス付きの商売などがこの金融機能にあたります。
商社はどうやって儲けているか。
トレーディング事業
トレーディング事業は、簡単に言えば仲介です。商社が培った独自の情報ソースと貿易機能を利用し、海外との取引を円滑に行い、マージンを得るのです。商社の機能の項目でも記載しましたが、このトレーディングビジネスが、商社従来のメイン事業でした。
しかし、商社を介さずにメーカーが直接取引をするケースが増え、インターネット普及により商社を挟まなくても情報収集ができるようになりつつあり、商社は変革を求められています。
事業投資
上述の通り、商社はトレーディング事業だけで収益を挙げることが難しくなりました。
そこで取り組んだのが、バリューチェーンの構築です。バリューチェーンとは、原料調達から加工、製造、流通販売、アフターサービスといった一連の事業活動に価値を提供するもの。
つまり、ただ仲介をするだけでなく原料調達や加工の機能も持つようになったのです。バリューチェーンを構築するために必要なのが、事業投資。
バリューチェーン構築に価値のある企業に対し、人材、資金、情報、経営ノウハウ、資材調達力などの経営資源(総合力)を投入。長期的に事業経営をサポートすることによって、出資先企業の価値を向上させます。これによって商社自身の収益も向上させることができるのです。
まとめ
商社の機能と事業について説明してきました。一言でいうなら、儲かることなら基本的にはなんでもやるというのが商社のスタイルだと思います。
しかし、メーカー機能のない商社が利益を出すには多少リスクを背負って、取引先との決済や、事業投資を行っていく必要があります。
メーカーにはない、審査部門があるのはそのリスクを少しでも軽減させることが目的でもあります。
複雑なビジネスの世界で、大胆な攻めと緻密な守りが行えるバランスの取れた方は商社に向いているかもしれませんね。