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はじめに
「サラリーマンは300万円で会社を買いなさい」
~人生100年時代の個人M&A入門~
著:株式会社日本創生投資代表取締役CEO三戸政和 講談社出版
サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門 (講談社+α新書)
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ワールドビジネスサテライトでも特集が組まれ、現代ビジネス500万PVの記事のバージョンアップ版の書籍です。
タイトルを見たときに感じたのは
「正直くやしい・・・。」
勝手まうやんけー!!
キャッチコピーの大切さをつくづく実感させられました。
これが「サラリーマンのM&A」「サラリーマンが会社を買う方法」だったら、本屋で手に取らなかったと思います。
300万円というめちゃめちゃ具体的な数字と買いなさいというキャッチーな表現で心を奪われました。
「サラリーマンは300万円で会社を買いなさい」を読んでみて
少しネタばれもありますので、お許しください。
人生100年時代、サラリーマンが富裕層になるには
「0.14%」日本の人口に占める超富裕層の割合です。
1,000人に一人~二人の割合ですね。
ここで言う、超富裕層とは、資産から借入金等の負債を引いた純資産が5億円を超える人のことを言っています。
これが、1億円以上~5億円未満になるとその割合は、「2.16%」になるそうです。100人に2人以上の割合です。
純資産1億円以上ってどうやったらなれるのか?
サラリーマンの平均年収は約440万円といわれています。
この内、頑張って100万円を貯金していったとしましょう。
100年かかりますね。20歳から働いて120歳で引退でやっと貯められる計算。
普通のサラリーマンでは、どう考えても正直不可能ですね。
最近話題になった、「老後2,000万円必要問題」。
若いうちに懸命に働いて、引退後に貯金を取り崩し、年金だけで、ほそぼそと生活する人のことをこの本では、「下流老人」と呼んでいます笑。
そうならないために、労働の対価では得られない収入を得る必要があるのではないでしょうか。
普通のサラリーマンが起業をすると地獄を見るわけ
なんとなく、いつかは起業したいなって人多いのではないでしょうか。
正直、私もそうです。
この本では、ゼロ→イチにする難しさを語っています。
サラリーマンであれば、営業部、購買部、システム部、経理部等の部署があり、各部がそれぞれの仕事をしていれば、会社は回っていきます。
また、与えられた、社内システム、ネームバリューを生かしながら営業をすることができます。それが起業となるとどうでしょうか。全て自分でやる必要があります。
これができる人は本当に厳選された能力のある人間だけではないでしょうか。
特に、会社を作ることと起業することの根本的な違いを理解することが重要だと感じました。
会社を作るには、資本金1円でも決められた手続きを行えば、簡単にできる時代。
これで「会社を作る」ことには、成功したと言えるでしょう。
ただ、起業となると違います。ちまりは事業を回していく必要があります。
サラリーマンが長けている「イチ→ジュウにする能力」
起業には、ゼロ→イチにする能力が必要不可欠。でも、普通のサラリーマンはそんな能力持ってないです。
でも考えてみてください。サラリーマンを何年もやっていると、イチ→ニにした経験ってめちゃめちゃないですか?
簡単なことで言えば、従業員の給与をエクセルで簡単に計算できるようにしたり、したり、ホームページを作り商品をPRしてみたり。その能力って意外に重要で、中小企業が求めている能力なのではないでしょうか。それができれば、イチ→ジュウにしたり、ヒャクにしたりするのは、ゼロ→イチにするよりはるかに簡単なことのように思えます。
当たり前のこと当たり前にすること
中小企業のことを悪く言うわけではないですが、当たり前のことを当たり前にできている企業って少ないんです。
中小企業では、月次決算をしてなかったり、在庫の管理がめちゃめちゃだったり、ホームページが見にくかったり、上場企業のそれとは比べ物にならない差があります。
だからこそ上場企業で当たり前にやっていたその業務が中小企業で生かすことができると思います。
後継者不足によるM&Aが活発化しているわけ
最近は、後継者不在によるM&A市場が活発化しています。
後継者不足なら、会社を清算してしまえば、純資産の取り分をとって余生を過ごせばいいのでは?と私は思っていました。
しかし、よく考えれば、会社の持っている資産を処分するには、かなりのお金がかかるのですね。建物を崩して更地にしたり、機械を売却したり(工場などの機械は稼働しなければ何の価値もありません)
。だからこそ、後継者不足の社長はやっきになって会社ごと売却したいと考えるわけですね。すごい納得させられました。
どうやって中小企業を見つけるのか
最近耳にすることも多くなってきたM&Aに特化した仲介・アドバイザリー会社。
この本で紹介されている会社は私も知っている企業でした。
「日本M&Aセンター」
「M&Aキャピタルパートナーズ」
「ストライク」
かなり有名な企業ではありますが、M&Aに携わる人でないとピンとこない人も多いと思います。
紹介されている企業以外にも数多くのM&Aの仲介・アドバイザリーを行っている企業は近年相当増えてきています。それだけ、売り手・買い手に需要があるということなのでしょう。
まとめ
中小企業には、技術はすごいのにPR方法がへたな会社や、社長がまったく財務経理を知らず、経費や税金を垂れ流している会社が山ほどあります。
また、ちょっとしたシステムを入れるだけで、在庫管理が見える化したり、無駄な経費を使わなくなったりできることも考えられます。
しかし、それらに取り組むだけの能力がなかったり、そもそも知らなかったりするのが中小企業でもあります。
逆を言えば、ちょっとしたことで、赤字だった会社を黒転させることができるかもしれません。